方舟便り

波多野久昭/ノア・ウィメンズクリニック院長

日常の診療を行っていて感じたことなどをつづっていきます。

日々我が身を顧みる

クリニックのスタッフミーティングで、スタッフに伝えた話です。

ここでしばらく、皆様に、胸に手を当てて考えていただきたいことがあります。
小さなクリニックでも、一人では診療ができません。チームワークが必要です。持っている力をいかんなく発揮し、十分な医療を行うためには、スタッフ同士の信頼と、協力が大切です。
人間は自分が可愛く、自分が得をすることを求めます。誰でも自己中心です。人に何かをしてあげるよりも、何かしてもらうほうを好みます。人に仕えることを嫌います。しかし、聖書は「受けるよりも与えるほうが幸いです」、と言います。人間の本来の姿は、神に仕え、人に仕えるように創造されているのです。自分の欲望を満たしても、一時的な満足しか得られず、虚しさを覚えるだけです。本当の満足、充実した喜びは、仕事に使命をもって、人に奉仕するときに、得られます。患者さんに対しても、スタッフに対しても、家族に対しても、同じことです。
また人には好き嫌いがあります。誰でも好きな人、嫌いな人がいます。これは仕方ありません。感情はコントロールできませんが、人間には意思があります。ですから、たとえ嫌いな人に対しても、愛することはできます。愛は好き嫌いとは違います。相手に対して、その人の為になるように、たとえ犠牲を払ってでも、できることをしてあげることが、本来の愛です。この究極の愛が、イエスキリストの十字架です。本来与えられていた、この真実の愛を、私たちは忘れています。
現代は効率主義です。仕事ができるかどうか、勉強ができるかどうかで、その人が判断されます。しかし、人の存在意義・価値は仕事でも勉強でもありません。その人の人間性・人格にあります。もちろん、仕事や勉強ができたほうがいいでしょう。でも、できる人はできない人を見下してはいけません。仕事に対する適切な評価は必要ですが、その人の人間としての尊厳を踏みにじるようなことは許されません。しかし私たちは弱い人間です。人の弱点を知ると、その人の人間性まで否定しやすくなるのです。それは私たちに悪を好む性質が潜んでいるからです。「私は、私のうち、すなわち私の肉のうちに善が住んでいないのを知っています。…私は、自分でしたいと思う善を行わないで、かえって、したくない悪を行っています」と聖書は述べています。
今まで述べてきたことは、特定の人に対して言っていることではなくて、私を含めてすべての人が犯す過ちです。意識しなければそれで済んでしまいますが、そうすると悪い習慣が身につくようになってしまいます。どうか毎日、自分の心の中を探ってみてください。自分の心に悪い思いの芽を見つけたら、それが大きくならないうちに摘んでしまいましょう。
喜びをもって職場・家庭で奉仕をしていますか?愛をもって人に接していますか?ほかの人の存在を尊重していますか?いつも、これらのことを心がけていれば、自然と信頼関係・協力関係が生まれてきます。職場だけでなく、家庭でも、友人関係でも、どこでも同じことが言えます。日々、自分の心を探る習慣をつけてください。

 

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